毎日の楽しみとしている方も多い「入浴」。
ただ、年を重ねて高齢になってくると、疾病や足腰への不安などから敬遠されてしまう方もいらっしゃいます。
入浴は高齢者にとっても心身に良い効果が期待できますが、
いったいどのようなメリットがあり、安全に入浴するための入浴用品はどんなものがあるのかをご紹介していきたいと思います。
- 1.入浴の効果
- 2.安全に入浴するために
- 3.入浴用品を選定するポイント
1.入浴の効果
入浴は、私たちはもちろん高齢者において様々な良い効果をもたらします。
①リラックス効果
湯船につかったときの温かさや解放感、さらに、ほどよく体温が上がること、血行が改善し汗をかくと心地よい疲労感が訪れることが副交感神経(体をリラックスさせる作用のある自律神経)を刺激して、良い睡眠にもつながり、リラックスをもたらすといわれています。
②新陳代謝の促進
湯船につかることにより、体が温まり、血行が良くなり、新陳代謝が促進されます。血行が悪い方や疾病が原因で関節がこわばっている方にもおすすめです。
③皮膚を清潔に維持する
身体を洗い、皮膚を清潔にすることで汗などの老廃物を流し、細菌などの感染症を予防することができ、皮膚疾患などを防ぐ対策にもなります。
2.安全に入浴するために
浴室は、気持ちよく入浴する場であると同時に、事故によるケガや体調不良を招きかねない場でもあります。
そのような背景をふまえたうえで、入浴用品を選びましょう。
高齢者の方ご本人が注意するとともに、ご家族の方など周りの方も一緒になって安全な入浴環境を整えることが、事故防止の一環となります。
お風呂場にはこんな危険が
①転倒
水や石鹸の泡、ぬめり等が原因となりすべりやすい
浴槽の出入りの際に片足立ちになるためバランスを崩しやすい
湯煙や白内障等により周囲が見づらい
②打撲、裂傷
高齢者の皮膚は薄くふやけやすい
浴槽の出入りの際に片足立ちになるためバランスを崩しやすい
湯煙や白内障等により周囲が見づらい
③ふらつき・湿疹・心臓負担
高齢者は脱水症状がおこりやすいといわれておりふらつきが起こる可能性がある
寒暖差や水圧により血圧の急変動でふらつきやすい
3.入浴用品を選定するポイント
上記のことから
「つまずき」「すべり」「ふらつき」の対策が重要となります。
入浴用品の中で主な種類と選び方をご案内します。
①シャワーチェア(入浴用いす)
②入浴グリップ(浴槽手すり)
③浴槽台(浴槽内いす)
④バスボード
⑤すべり止めマット
①シャワーチェア(入浴用いす)※介護保険特定福祉用具購入対象
座面の高さを調節でき、立ち座りをラクにします。
選び方のポイント ①サイズ
シャワーチェアが洗い場のサイズに対して大きすぎると、動線が狭くなりますので、洗い場のサイズと合わせましょう。
また、シャワーチェアを置いた状態で、浴室の扉の開閉が問題ないかを考えてサイズを選びましょう。
特に、開き戸のタイプの浴室の扉の方は注意しましょう。
選び方のポイント ②座面の高さ
座面の高さは「座ったときのひざ下の長さに合わせる」のがポイントです。
立ったり座ったりをラクに行うことができます。
選び方のポイント ③座面の座り心地
奥行が広い座面のほうが、太ももの接地面が多いため、座ったときの安定性が高くなります。
また、長く座っていても痛くならない柔らかい素材の座面タイプがおすすめです。
選び方のポイント ④ひじかけ
ひじかけがあると、姿勢保持や立ち上がりがラクになります。
②入浴グリップ(浴槽手すり)※介護保険特定福祉用具購入対象
こんなことありませんか?
浴槽をまたぐときに脚が上がりにくくて大変・・・と感じることはありませんか?
そんなときには浴槽手すりがおすすめです。支えがあるとまたぎやすくなります。
浴槽手すりは、浴槽のフチに挟み込こんで使用する工事不要の手すりです。
浴槽をまたぐ時につかまることで姿勢を安定させることができます。
また内側に手すりがついているタイプは、浴槽内でも身体の安定を補助することができます。
選び方のポイント 1:自宅の浴槽にあったタイプ
ユニットバス専用タイプと、在来工法浴槽専用タイプがありますので、自宅の浴槽にあったタイプを選択してください。
また、必ず浴槽壁のサイズや形状を確認し、取り付け可能かどうかを判断してください。
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選び方のポイント 2:付ける位置
浴槽の幅が狭い場合、浴槽壁の中央部につけると入りづらいので、端に寄せてつけることがおすすめです。
③浴槽台(浴槽内いす)※介護保険特定福祉用具購入対象
浴槽の中で使用する台(いす)です。
浴槽台の使用目的と選び方 1
浴槽内での立ち座りを容易にすることができます。
また、浴槽台に座ることによって、前傾姿勢がとりやすく姿勢を安定させることができます。
※浴槽内は浮力が働くため、姿勢がくずれやすくなり溺れてしまう一因となります。
この用途では、座り心地が快適な座面の柔らかいタイプの座面がおすすめです。
高さは、立ち座りがしやすい高さに調整します。
浴槽の深さに対して、高さを上げすぎると、実際に使用した際に水面から身体が出てしまいますので気をつけましょう。
浴槽台の使用目的と選び方 2
浴槽台を設置し、洗い場と浴槽底の高低差を小さくすることで浴槽をまたぎやすくすることができます。
この用途では、硬めのすべりにくい滑り止めシートタイプの座面がおすすめです。
高さは、洗い場と浴槽底の高低差がなるべく小さくなる高さに調整します。
浴槽台の使用目的と選び方 3
浴槽の底面の幅のサイズによって、浴槽台のサイズを選びましょう。
④バスボード※介護保険特定福祉用具購入対象
浴槽のフチにまたがせて、座って浴槽への出入りができます。
浴槽を立位でまたいで入ることに不安がある方におすすめです。
※浴槽へ出入りする近くの壁などに手すりを設置すると、身体が支えやすくなります。
⑤すべり止めマット
浴槽内や洗い場での転倒を予防します。
浴槽底面に設置することにより、足元の滑りを防止でき、さらに姿勢を安定させることができます。
また、洗い場は水や泡で大変すべりやすいです。
すべり止めマットを設置することにより、転倒を予防することができます。
適切な入浴用品を利用することで、安全な入浴環境を整えることができます。
環境が整うことで、安心して入浴することができ、様々な入浴の効果を享受することができます。
そのためにも、ご自宅の環境にあった入浴用品に出会えるようヤガミホームヘルスセンターe.よりそうだんがお手伝いさせていただきます。
是非ご相談ください。お待ちしております。
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